無隣館若手自主企画vol.26 中村企画『せかいのはじめ』の稽古場より

間が空いてしまいました! 木村です。

今回は私自身も演出家として参加しております、無隣館若手自主企画vol.26 中村企画『せかいのはじめ』の稽古場よりお届けします。現在公演中。です!!
すみません、遅くなりましてあと2日ばかりで終わりです。すみません、予想以上に余裕が無くなってしまい遅くなりました。

さて、中村企画。中村奏太くんの書いた『せかいのはじめ』という作品を、中村くんを含む4人の演出家で上演(戯曲改変自由)する企画です。

AチームとBチームに分かれておりまして、1公演で2演目上演の形をとります。まずAチームは前半、中村奏太井上みなみ(青年団)ペア。

撮影:木村恵美子

撮影:三浦雨林

中村くんは前述の通りこの戯曲の原作者、なんですが……。春風舎に入ってからバッサリとあるシーンをカット。原作(大阪学生演劇祭ver)からは約50%の改変となっています。印象がだいぶ変わりました。(後述しますが私木村演出版は戯曲はほぼ原作通りの視点違いを目指して演出したので、木村版が最も原作に近い形に! 正直かなり焦りました)

中村版には演出補佐として青年団の三浦雨林さんが参加していて、雨林さんもみなみさんもかなり沢山の提案を中村くんにしていて、3人で作っている。という印象がとても強くありました。
と、ともかくみなみさんが凄い。何その声、身体……!! 今まで青年団その他の公演では何度も拝見してきましたけれども、改めて驚きました。一人芝居なので堪能出来ます。あと、子供役の上手さ、凄すぎじゃないですか……。

Aチーム後半は平田知之山田舜也ペア。

撮影:木村恵美子

撮影:三浦雨林

平田さんは無隣館制作部かつ、筑駒演劇部顧問なんですが……。木村今まで筑駒演劇部の上演を観てこなかったことを激しく、後悔しました。私の観たことの無い上演!と思ったのですが、「筑駒っぽい」んですって! え、めちゃくちゃ気になる。

山田さんも、無隣館では演出部ですし、演劇を通した吃音やコミュニケーションの研究をされている方なのですが、「自分は俳優じゃないです」とか言いながら落語をがっつり習っていたりする方なので、もう、なんか、観てください。是非。山田さんがアップでやってた「死神」がめちゃくちゃ上手くて木村一人で笑ってました。「死神」もちゃんと見たいです。(アップで死神ってなんだろう……)

そしてBチーム前半は私木村恵美子外桂士朗ペア。

撮影:木村恵美子

撮影:三浦雨林

唯一の無隣館演出部&無隣館俳優部な正統派ペアです(笑) 自分のことはどう書いたものやらですが……。
原作に「現実味を持たせ」、「地に足をつけさせる」
をテーマにやってみました。これは中村くんに聞いてみたところ、正反対らしいです。やっちまったぞ……。
外さん、無隣館の同期でかなり好きな俳優さんです。この、柔らかい空気が出せる同世代俳優がどれだけ、いるでしょうか……。ま、あの、柔らかさを活かしたいあまり疲れてると眠くなる系なので、どうか、寝てきてください、出来れば……。

そしてBチーム後半の山内晶(キリグス/青年団)石渡愛ペア。

撮影:木村恵美子 色を変えてみる

撮影:三浦雨林

えと、最高です。
一見原作が微塵も残っていない……のですが、そう思ったら気の所為です。
原作100%を圧縮して圧縮して20%くらいにして、あと80%をそこからの想像で埋める!!! みたいな作品です。山内さん、凄い……。凄いですよこれは……。うまく表せられないけれども……。そして演出が、こう、演出上の俳優の身体への負荷と、戯曲上の役の負荷がシンクロしていくタイプの、あれです。めちゃくちゃな運動量(石渡さん痩せたんじゃないかしら……)。座組一同、「石渡さん、頑張れ……」という気持ちでいっぱいです。観てない石渡ファンはおそらくいないんじゃないか、と思いますけれども、観たこと無い石渡さんが観れますよ!! あと、個人的には今回の石渡さん一番綺麗に見えてびっくりしています。やっぱり、全力の人は素敵です……。

以上、全チームについて書いてみましたが、今回特筆すべきは当企画主宰の中村くんの演出家を選びだした選球眼と組み合わせ力じゃないかなあと思います。感想拝見していて「上の句と下の句」という表現がまさに!!と思ったのですが、2本立ての前半後半を見ることでより楽しめる仕上がりになっています。AチームとBチーム両方ご覧いただけるとより、面白いと思います。

なんて言いながらBチームはあと一回のタイミングなのでとても恐縮ではありますが……!
Bチームラスト一回、予約分は受付終了となっておりますが、若干数当日券出るようです。Aチームも残り2回となりました。あとわずかですが、是非、ご検討いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします!
**公演情報**


無隣館若手自主企画 vol.26 中村企画
『せかいのはじめ』
脚本:中村奏太(無隣館)
演出:山内晶(青年団)、木村恵美子、中村奏太、平田知之(以上、無隣館)
2018年12月22日(土) – 2018年12月30日(日)
会場:アトリエ春風舎

せかいのはじめ、そこにはなにもなかった。
俳優という身体が舞台という空間に飛び込んだとき、そこにひとつの世界が作り上げられる。
きっとわたしじゃなくてもよかった。でも、この世界にはわたしが立っていて、あなたが見ている。

はじめという子は、胎内で死んだ兄の生まれ変わりとして名付けられた。
それならわたしはいつからはじまったんだろう。生まれるのはわたしじゃなくてもよかったんじゃないか。
それでもわたしが生まれて、こう考えるわたしがいて、世界はここにある。

はじまりとおわりをめぐる、世界と人生と演劇のはなし。

■日時■
2018年12月22日(土) – 2018年12月30日(日)14ステージ
<2作品連続上演>
A:中村奏太・井上みなみ、平田知之・山田舜也
B:木村恵美子・外桂士朗、山内 晶・石渡 愛

12月
22日(土)18:00 B
23日(日)13:00 B/18:00 A
24日(月)13:00 A/18:00 B
25日(火)19:30 A
26日(水)14:00 B/19:30 A
27日(木)19:30 B
28日(金)14:00 A/19:30 B
29日(土)13:00 B/18:00 A
30日(日)13:00 A

※受付開始は開演の40分前、開場は開演の30分前
※未就学児童はご入場頂けません
※上演時間はA90分前後、B105分を予定
※各回終演後にアフタートーク実施

■会場■
アトリエ春風舎
東京メトロ有楽町線・副都心線/西武有楽町線「小竹向原」駅 下車4番出口より徒歩4分
東京都板橋区向原2-22-17 すぺいすしょう向原B1
tel:03-3957-5099(公演期間のみ)
※公演期間以外のお問い合わせはこまばアゴラ劇場(03-3467-2743)まで。
※会場には駐車場・駐輪場がございませんので、お越しの際は公共交通機関をご利用ください。

■料金■
・予約一般:2,000円
・当日一般:2,500円
・高校生以下:500円(予約・当日共/要身分証)
※リピーター割:各券種500円引き(二回目以降のご観劇の際に受付にて半券提示で500円引きでご案内いたします/要予約)
※全席自由・整理番号付
■スタッフ■
演出協力:三浦雨林(青年団)
演出補佐:升味加耀(無隣館)
照明:井坂 浩(青年団)
音響:櫻内憧海(無隣館/お布団)
音響操作:小林 遥(裏方集団Stage Line)
映像美術:柳生二千翔(青年団/女の子には内緒)
舞台監督:島田曜蔵(青年団)
宣伝美術:片山裕子(劇団夜光鯨)
制作:神戸みなみ、鴨居千奈(以上、無隣館)
制作補佐:山守凌平(青年団)
総合プロデューサー:平田オリザ
技術協力:大池容子(アゴラ企画)
制作協力:木元太郎(アゴラ企画)

■チケット取り扱い■
青年団 03-3469-9107 (12:00 – 20:00)
https://komaba-agora.com/ticketsell/

■お問い合わせ■
青年団 03-3469-9107(12:00 – 20:00)
中村企画 Mail nakamurakikaku.m3@gmail.com

企画制作:青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)、独立行政法人日本芸術文化振興会

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