無隣館若手自主企画vol.25 木村和博企画の稽古場より②

こんにちは。木村恵美子です。今回もついに本日初日を迎えました、無隣館若手自主企画vol.25 木村和博企画『いっぱいいっぱい讃歌』の稽古場よりお届けいたします!

前回記事はこちらよりご覧いただけます。

ご無沙汰しております! 木村恵美子です! 無隣館の窓も無隣館若手自主企画も少し間が空いてしまいましたが、ここから12月、1月、2月、3月と毎...

今回は、アトリエ春風舎での稽古の様子よりお届けします。
木村和博企画の春風舎入りから少し経ちました頃、アトリエ春風舎に伺いました。中にはシンプルながら無骨な感じの美術が立ち上がっていました。今回も升味企画に引き続き舞台美術は無隣館の鬼木美佳さんが担当されています。

ちなみに、升味企画の舞台美術はこんな感じでしたね。

今回、同じ鬼木美術ですが全然違います。私は今回もめっちゃ好きです。特にちょっとだけネタバレですが天井装飾が好きです。一瞬なんだかわかりませんがよくよく見るとなるほど、となるやつです。今回は写真を載せませんが、ぜひお早めに劇場にいらして眺めてみてください。

木村和博企画のみなさんは、小屋入りしても穏やかに、ニコニコ稽古を進めていらっしゃいました。この座組、雰囲気が独特です。それぞれがマイペースに過ごしているんですが仲が悪いわけでもなく、仲良く、そして笑顔の多い稽古場なのです。(今まで私が経験してきた稽古場はもうすこし人と人との関わりが密だった気がします。)そしてその独特の雰囲気が作品にも反映されている感じがします。

そして、そしてついにこの日! 通し稽古で最後まで作品を拝見いたしました!!

感想……。

感想は……。

度肝を抜かれました。

見終わって最初の一言。「度肝を抜かれました」でした私。

前半はいわゆる「不条理劇」と言いますか、じっくりとした会話劇なんですけれども、自分としては後半、意外な展開が来ました。おおう。一見強引なのですが全体を通してじわりじわりと蓄積され、話の筋は成立している衝撃展開。きむかずさんの振り幅を見せられた感じです。

この発想が出来るって本当に凄い、と思います。

ちなみにきむかずさんとしてはこれ、いつもの作風なんですか?と聞いたところ、

不思議さはいつも通りですがいつもよりちゃんと会話劇です。とお返事。

え、じゃあいつもはどんな作風なんですか?と聞いてみますと、

昔はモノローグが多くて、15ページで上演時間1時間くらいでした。照明のきっかけも今回はかなり少ないですね。

とのこと。15ページは少ないです。上演時間が同じで20ページも違うなんて、すごい差です。(今回は37ページで約1時間だそうです。ちなみに私(木村恵美子)の上演実績は会話劇で60ページ1時間半くらいなので、会話劇の相場……なんじゃないですかね。)

あと、すごい当たり前のことなんですけれども、以前稽古場に伺った時から比べて皆さんが髪を切ってらっしゃったので同じ本でも印象が全然違ったりしました。

串尾さんの短髪は珍しいそうです。

あとはあとは、やっぱり細かな演出がついてきたのが面白いです。大雑把なのから細かいのまで各種ついてましたが、白い服を着ているとある役の演出、意外と細かいです。(詳しくかけませんが、見ればわかります)

それから最後に、全編を拝見して改めて思ったのですが、このお話はチラシ、パンフレットの挨拶文を読んで頂き、”前提”を作ってから御覧頂いた方がより楽しめるんじゃないかなと思います。その方がそれぞれの役がより鮮明に立ち上がってくる印象です。

パンフレットやチラシを見ていただく前提で作品を作るか否か?については作り手の間で議論される問題ではありますが、少なくともこの作品は「それ込みで演出」系の作品ではないか、と私は勝手に思っております。

「それ込みで演出」といえば……。美術の鬼木さん曰く、今回ロビーに舞台美術の模型が展示されるとのことです。それでまた新しい視点が得られるかもしれません。(私はまだ、完成形を拝見出来ていないのですが……)

これを書いている現時点ではまだ各回お席あるそうです。受付では無隣館制作部の仙波さんが迎えてくれます!

より多くの方にご覧いただけましたら幸いです。木村和博企画の皆様、応援しております!

いっぱいいっぱい讃歌について

はじめまして。 無隣館という演劇学校に劇作家・演出家として所属している木村和博と申します。 このnoteは『いっぱいいっぱい讃歌』という演劇公演が、いつどこでやるのか、誰が携わっているのかが書いてあります。いわゆる『いっぱいいっぱい讃歌』の概要です。 (作品の内容に関しては別のnoteで公開いたします。)...

確固たる技量を持った俳優であると証明するために修行をしている——外桂士朗(無隣館)

「なんで演劇に関わっているの?」「どうして演劇づくりに携わっているの?」 そう聞かれると、少し緊張します。 その理由を伝えることで自身をさらけ出すことになるかもしれない。うまく伝えられないもどかしさから、説明しやすい理由をでっちあげてしまうかもしれない。 私以外の演劇づくりに携わっている人はどう考えているのだ...

見えないものを可視化するレンズになりたいーー串尾一輝(青年団/グループ・野原)

「なんで演劇に関わっているの?」 「どうして演劇づくりに携わっているの?」 そう聞かれると、少し緊張します。 その理由を伝えることで自身をさらけ出すことになるかもしれない。うまく伝えられないもどかしさから、説明しやすい理由をでっちあげてしまうかもしれない。 私以外の演劇づくりに携わっている人はどう考えているのだろ...

演劇という共通項があれば人と関われるーー堀紗織(無隣館)

「なんで演劇に関わっているの?」 「どうして演劇づくりに携わっているの?」 そう聞かれると、少し緊張します。 その理由を伝えることで自身をさらけ出すことになるかもしれない。うまく伝えられないもどかしさから、説明しやすい理由をでっちあげてしまうかもしれない。 私以外の演劇づくりに携わっている人はどう考えているのだろ...

インタビュー記事、とても面白いです! 坊薗さんのインタビューももうすぐ公開されます!

*公演情報*

無隣館若手自主企画 vol.25 木村和博企画
いっぱいいっぱい讃歌
作・演出:木村和博
2018年12月5日[水] – 12月9日[日] 全6ステージ

会場:アトリエ春風舎

彼らはかつて「ちょっとしんどい」と思えていました。

しかし、言葉を飲み込みすぎて忘れました。ゲップはよく出ます。

ある人は缶チューハイを飲みながらトランスジェンダーアイドルユニットのDVDを眺め、ある人は捻出したお金を風俗に使い、ある人は夢もやりたいこともないまま、社会のまともな方に入ることだけを目指し、ある人は理想の貧困を演じてクラウドファンディングしている。

最近あちこちから、ゲップのにおいが漂ってきます。

【出演】
串尾一輝(青年団/グループ・野原)
外桂士朗(無隣館)
坊薗初菜(無隣館)
堀紗織(無隣館)

【スタッフ】
舞台美術:鬼木美佳(無隣館)
照明:中佐真梨香(空間企画)
舞台監督:久保田智也
宣伝美術:嵯峨ふみか
制作:仙波瑠璃(無隣館)
総合プロデューサー:平田オリザ
技術協力 :大池容子(アゴラ企画)
制作協力:木元太郎(アゴラ企画)

【日時】
2018年12月5日[水] – 12月9日[日] 全6ステージ
12月5日(水)  19:30
12月6日(木)  19:30
12月7日(金)  19:30
12月8日(土)14:00 /18:30
12月9日(日)14:00
受付開始は開演の30分前、開場は開演の20分前

【料金】
予約:2,000円
当日:2,500円
*日時指定・全席自由・整理番号付
*未就学児童はご入場頂けません。

【会場】
アトリエ春風舎
東京メトロ有楽町線・副都心線/西武有楽町線「小竹向原」駅 下車4番出口より徒歩4分
東京都板橋区向原2-22-17 すぺいすしょう向原B1
tel:03-3957-5099(公演期間のみ)
※公演期間以外のお問い合わせはこまばアゴラ劇場(03-3467-2743)まで。
※会場には駐車場・駐輪場がございませんので、お越しの際は公共交通機関をご利用ください。

【チケット取り扱い】
青年団 03-3469-9107 (12:00 – 20:00)
https://komaba-agora.com/ticketsell/

【お問い合わせ】
青年団 03-3469-9107(12:00 – 20:00)
木村和博企画 Mail Ikizuri@gmail.com

【Web】
HP:http://ikizuri.com
note:https://note.mu/ikizuriikizuri
Twitter: @ikizuri

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企画制作:青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場

文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会

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