ご無沙汰しております! 木村です!
今回はまもなく本番を迎えます、無隣館若手自主企画、劇場公演の第一弾、vol.24升味企画『あの子にあたらしいあさなんて二度とこなきゃいいのに』の稽古場よりお届けします!
作・演出の升味さんとはご縁があって彼女の学生時代からの知り合いでして、以前に作品も見たことがあるんですが、通し稽古を拝見して、変わらずの升味節炸裂でありました。私が最初に見た作品は彼女が20歳位の時なのかな、そこからクオリティ面で圧倒的成長も見せつけられました。さすがだけど、凄い。
私は人から彼女の作品はどんな作品?と聞かれたとき、「業が深い」と言っているのですが、今回もそう思いました。登場人物が皆何かを背負っていて、ニコニコ笑っている升味さんを見てるとちょっとびっくりするくらいです。稽古場も終始和やか、にこやかでした。この稽古場からこの作品が立ち上がるの、凄いよ、升味さん。
升味さんの作品と言えば、女の子のエゴを鮮やかに切り出した作品が多い、と思っているのですが、今回も女の子が中心の作品になっています。でも今回個人的にはなかなか、黒一点の黒澤多生(くろさわたお)さんの役所も面白く、是非注目して頂きたい一点になっています。達者な俳優さんであります。今作複数回観劇をされる場合は一番旨味がある役ではないでしょうか。
多生さんと言えば最近このツイートが面白かったんですが、
オリザさんに「働きすぎだよ」と言われてしまった
— 8/22〜26本番中タオ。 (@tao_engeki) August 9, 2018
今回の公演でも舞台監督(舞台美術の建て込みや全体のスケジュール管理をはじめ、舞台進行全体を管理する舞台安全の総責任者)を務めている多生さん。私が伺った日も、
「今日もこの稽古の前にある現場の仕込みをしてきましたよー!」
と元気に言っておりました。タフ、器用、凄い。そんなに忙しいのに何でそのクオリティ保てるんだよ多生さん。数少ない木村と同い年演劇人でもあります。身体も大事にしてね、多生さん。
お次は先日『GHOSTs』にも出演していた名古屋愛(なごやめぐみ)さん。
超ぴったりな配役で大変ワクワクしました。無隣館3期俳優部最年少です。可愛らしい容姿とややハスキーな声が魅力の女優さんです。ワイワイ賑やかな稽古場でひっそり穏やかな佇まいで、しかし楽しげに過ごしている様子が印象的でした。
今回、肉体的にも精神的にも削られる役だと思うので、しんどいやろー、頑張れーとひたすら応援しながら見てしまいます。
それから無隣館では制作部の鴨居千奈(かもいゆきな)さん。
女優もやってます。超明るい。稽古場のムードメーカーでもありながら、時に演出家に対してピリッと指摘を飛ばす様子がとても印象的でした。升味さんともともと親交があるメンバーの1人で、当て書き(役者の特性に合わせて台本を書く執筆方法)が最もハマっている役所だと思います。
最も現代高校生っぽい役、なのかな……。物凄い生々しいリアリティがあります。あるシーンがもう、見てられないくらい、うわあ、わかる、超わかる!!ってなりました。こういうの仕込んでくるところが升味作品の怖さよなあ……!
鴨居さんと共にムードメーカーなのが堀紗織(ほりさおり)さん。
堀さんとも無隣館に入る前から親交があるんですが、実は彼女めっちゃコメディエンヌです。そして升味さんと堀さんは大学の同期同士で何度も共同制作をしている間柄なんですが、今回の役、シリアスとコメディの絶妙な融合……!! メインはシリアスだけど隠しきれぬコメディ感、そしてそれが逆に存在としてリアル……。楽しいです。
堀さんの色んな魅力が見られる作品なので堀ファンの方是非お楽しみに! って感じです。
それから私が行った日におやすみだった鯉沼トキ(こいぬまとき)さん!
不在だったので革命日記の時のお写真を……。
稽古序盤で『フェアリー感を抜いてください』とオーダーを受けていましたが、
【本稽古開始】「トキさんとりあえずフェアリー感を一旦ぜんぶ抜いて・・」と言われました。どちらかというとクズな役である。フェアリーとは。妖精の事である。ダメをだされているのに(私の中の妖精)に酔いしれかかった。自覚がない。やばい。なおせ。今すぐだ。まだ間に合う。初日は8月22日! https://t.co/mzTFl5qItR
— 鯉沼 トキ (@koinumatoki) July 5, 2018
実際フェアリーな佇まいの女優さんなんですけど、升味さんが代役で台詞を入れていく様子に、「え、マジでトキさんがこの役を!?」って思いました。驚くべき役であります。私木村も劇作をする人間ですが、私には書けないよ!って思うくらいエグい役。後日談的には、トキさん、やってらっしゃいました! 木村びっくりしましたよ! この時のエピソードは次回!!
にしても今回皆さんの名前が難読で驚きました。あ、ちなみに作・演出の升味加耀さんは(ますみかよ)さんです。キュートだけどピリッと頭のキレる末恐ろしい作家さんです。
ズッシリ重い作品ですが、どこか夏休みの爽やかさも併せ持った作品です。特に女性にグサッと来るのでは、ないかしら……。ご来場、お待ちしております。
あ、今回事前映像企画も充実してて面白いので是非ご覧ください。百物語企画、怖いんですけど……!!!
◆予告動画◆
◆百物語企画 第一夜◆
◆百物語企画 第二夜◆
◆百物語企画 第三夜◆
◆百物語企画 第四夜◆
*公演情報*
無隣館若手自主企画 vol.24 升味企画
『あの子にあたらしいあさなんて二度とこなきゃいいのに』
作・演出:升味加耀
2018年8月22日(水) – 8月26日(日) 6ステージ
会場:アトリエ春風舎
演劇部の夏合宿は三泊四日。生憎全日嵐が続く。メグの初めての彼氏・「あさだくん」は美人の転校生・「よるかわさん」といい感じ。親友のユキは、新しい友達・サーちゃんと仲良くなって、ちょっとだけ変わった。顧問の鯉沼先生は前にもまして無表情でタバコを吸っている。変わり者の黒澤先輩は百物語をしようとうるさい。一年前に爆死した中村先輩のことを、みんなどこかで気にしている。おかしなことが何度も起こる。毎日起きて、寝る。けど、どれもほんとな感じがしない。まっくらな夜が続くようでいつまでたっても「あさ」が来ないと思ったらどうやら太陽は消えてしまってそれはもう、ずいぶん前のことらしい。
【出演】
黒澤多生 鯉沼トキ 名古屋愛 堀 紗織(以上、無隣館) 鴨居千奈
【スタッフ】
舞台美術:鬼木美佳(無隣館)
照明:井坂浩(青年団)
照明操作:石神静香
音響:櫻内憧海(無隣館/お布団)
音響操作:鬼木美佳(無隣館)
映像:升味加耀(無隣館)
映像操作:山下恵実(無隣館)
舞台監督:黒澤多生(無隣館)
宣伝美術:間宮きりん
制作:半澤裕彦(無隣館)
制作助手:山下恵実(無隣館)
制作補佐:有上麻衣(青年団)
総合プロデューサー:平田オリザ
技術協力:大池容子(アゴラ企画)
制作協力:木元太郎(アゴラ企画)
【日時】
2018年8月22日(水) – 8月26日(日) 6ステージ
8月22日(水) 19:30
8月23日(木) 19:30
8月24日(金) 19:30
8月25日(木) 14:00★/18:00
8月26日(日) 13:00★
受付開始は開演の30分前、開場は開演の20分前
★=升味加耀とゲストによるアフタートークあり
8月25日[土]14:00の回 広田淳一さん(アマヤドリ)
8月26日[日]13:00の回 山本健介さん(ジエン社)
【料金】
予約一般=2,000円
当日一般=2,500円
高校生以下=1,000円(予約・当日共/要身分証)
*日時指定・全席自由・整理番号付
*未就学児童はご入場頂けません。
【会場】
アトリエ春風舎
東京メトロ有楽町線・副都心線/西武有楽町線「小竹向原」駅 下車4番出口より徒歩4分
東京都板橋区向原2-22-17 すぺいすしょう向原B1
tel:03-3957-5099(公演期間のみ)
※公演期間以外のお問い合わせはこまばアゴラ劇場(03-3467-2743)まで。
※会場には駐車場・駐輪場がございませんので、お越しの際は公共交通機関をご利用ください。
【チケット取り扱い】
青年団 03-3469-9107 (12:00 – 20:00)
https://komaba-agora.com/ticketsell/
【お問い合わせ】
青年団 03-3469-9107(12:00 – 20:00)
升味企画 Mail masumikikaku@gmail.com
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企画制作:青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会
残席状況等は随時公式Twitterでお知らせしています。