青年団若手自主企画 vol.80 堀企画『トウキョウノート』の稽古場より

お久しぶりになってしまいましたが元気に怒涛の年末を過ごしております!木村です!今回は堀企画『トウキョウノート』の稽古場よりお届けします!

今回の『トウキョウノート』は、平田オリザ代表作の『東京ノート』を再構成した作品とのこと。来年2月に青年団としても公演を控えている演目でもあります。”インターナショナルバージョン”を第0回豊岡演劇祭で目の当たりにした自分としましても、とっても気になっていた公演でした。

そして今回の企画主催者堀夏子さんといえば……。無隣館3期の『革命日記』に出演されていた青年団員キャストのおひとりで、大変にお世話になっている先輩であります。

日本文学盛衰史でも大変お世話になりました。頭が、上がりません……。あといつも私が撮った写真を喜んでくださって、めちゃくちゃありがたいです。
そしてそんな堀夏子さんが今回は構成・演出を担当されるとのことで! 青年団の東京ノートにも何度も出演されている方なので、『東京ノート』を知り尽くしている方が、それをどう、解体、再構築していくのか……。もう、前情報だけで「信頼しかない」感じだったのですが、稽古場で色々拝見して、良い意味で、裏切られました。

そういえばこれをご覧になっている方は今回のキャッチコピー、ご存じですか?

青年団の代表作『東京ノート』を 解体し、戦争と死を抽出して再構築します。
これは永遠に届かないあなたへのラブレター

これ、是非に、気に留めて観劇して頂けたら!と思います。少しずつ繋がっていって、最後はほんと、「してやられた」って感じでした。今回ほんと、演出も素敵なのですがまずもってもう、戯曲読解の勝利だと思うのです。作品愛……。

さてさて、ネタバレにならないように作品については一旦このくらいにして、稽古場の様子を!

とにかく作品愛に溢れてました……。

夏子さんとにかく目をキラキラさせて「良い……」「素敵……」と繰り返します。楽しそうで見学してるこっちも楽しくなってきました(しかも私が見学した当日はそれでも言わなかった方らしいです。凄い……)

堀企画Twitterで素敵な写真がいっぱい流れてくるなあ、と思っていましたら今公演に向けてカメラを買ったとか!チラシとか諸々のビジュアルも自作されたとか! 青年団の公演ページを見てみると、撮影者:堀夏子 って書いてある。あれ撮ったの夏子さんご自身だったのか!え、凄すぎです……。

凄すぎ、といえば……、劇場に入ってからも、愛!!って思う仕掛けがあるんですけど、これは是非劇場で遭遇していただきたいです。

そういえば愛と言えばキャスティングとても良いです……。

声色や発声の質が違うメンバーでそろえていて、それが終盤の演出にめちゃくちゃ効いてきてます。あれはどこまで意図的なのかしら、と思っております。

でもキャスティング自体は青年団っぽいなあ、という気がします。なんというか、オールラウンダーで回していくより、個性の強い俳優陣を配置して関係性を作っていく、感じ。これを書いている時点でゲネプロまで拝見してますが、皆さん、見れば見るほど好きになります。こちらでは細かく書きませんけれども、堀企画のTwitterでそれぞれのコメント等々写真付きで公開されておりますので、是非是非ご覧ください!私が稽古場で撮った写真も使ってくださっていて嬉しい……。

座組の雰囲気はなんというか、堀企画1回目だし、みんなで夏子さんをサポートしてくぞ!って温かさに溢れていたし、不器用も人見知りもない交ぜではあるけれど、みんなニコニコで稽古に向かっていて、作品自体はびっくりするくらい暗い仕上がりだったりするんですが、座組はとっても明るかったです。

でも、あえて言うと、きっと、稽古場で、演劇の楽しいことっていうか、みんなで団結力を高めていけるための試みを、きっと色々試しているんだろうなと思うんです。稽古運営自体も実験なのかなと。

私が伺ったタイミングもあると思うのですが、稽古後に夕飯やおやつを広げて稽古内容や作品について話している時間が結構あって。なんかこう、俳優と演出家として、だけじゃなくて、人間と人間として、関係性を作っていく、みたいな感じがあった気がします。私自身、自分が演出で作品作りをしている時に、心の根っこに人見知りが残ってる時があるなあ、と感じることがちょいちょいあったので、こういう時間をとっていきたいなあと思いました。

そして、小屋入り後も伺ったわけなのですが……。

かっこいいことになっていました。

関係者の中ではアングラだ……。とささやかれております。
青年団版東京ノートをご覧になっている方は驚くと思いますし、こっちを先にご覧になって今度の東京ノートをご覧になるという方もきっと驚くと思いますし、とにかく全然違います。全然違うんですけど、でも、東京ノートです。少なくとも私はとっても好きです。

私がゲネプロを拝見した直後にTwitterで投稿したのがこちら

照明、私は好きです。特に序盤のシーンとかで表情が見えるのに顔が見えないんですよ!何を言ってるのかわからないかもですが、ある種漫画っぽいです。でも全編暗いですので暗いと眠くなるタイプの方は対策をしてご来場いただければと思うばかりです。

演出で色々攻めてるんですがちゃんと空間が埋まっていて、技だな、と思っております。

そして観ればわかるやつ、と思うのですが、飛行機、飛んだ!って思いました。あれ、凄いです。思惑が上手くはまって。これも、うまく説明できないので体感してみていただきたいです。

上演時間は約70分と短いのですけれども、じっくり、濃い、です。通し稽古を観ている自分でも濃いと思ったので確かに濃いと思います。客席の感想を聞くのが今から楽しみです。『東京ノート』未見の方の感想もどんな感じなのか楽しみにしております。

お席売り切れ多くなってますがTwitterで当日券情報などもお知らせされると思うので、観たいぞ、という方は堀企画Twitterに注目いただければと思います!

**公演情報**

青年団若手自主企画 vol.80 堀企画
『トウキョウノート』
作:平田オリザ 構成・演出:堀夏子
2019年12月24日[火] – 2019年12月29日[日]

青年団の代表作『東京ノート』を 解体し、戦争と死を抽出して再構築します。
これは永遠に届かないあなたへのラブレター

『東京ノート』とは
1995年、第39回岸田國士戯曲賞を受賞した平田オリザの代表作。
近未来の東京の美術館。ヨーロッパでは大きな戦争が起こっている。
戦争から避難してきたフェルメールの絵画を前に、
家族や恋人たちなどによる断片的な会話が淡々と繰り返され、
その中から現代社会を生きる日本人の様々な問題点と危機があぶり出されている。

【出演】
近藤強*
佐山和泉(東京デスロック)*
永山由里恵*
坊薗初菜*
佐藤岳
矢野昌幸
北村美岬
*=青年団

【スタッフ】
照明:井坂浩
音響:櫻内憧海
制作:太田久美子
総合プロデユーサー:平田オリザ
技術協力:大池容子(アゴラ企画)
制作協力:木元太郎(アゴラ企画)

【日時】
2019年12月24日[火] – 2019年12月29日[日]
12月
24日(火) 19:30
25日(水) 19:30
26日(木) 14:00 / 19:30
27日(金) 14:00 / 19:30
28日(土) 14:00 / 18:00
29日(日) 14:00
1227日(金)14:00の回は追加公演

さらなる詳細はこちら

【会場】
アトリエ春風舎
東京メトロ有楽町線・副都心線/西武有楽町線「小竹向原」駅 下車4番出口より徒歩4分
東京都板橋区向原2-22-17 すぺいすしょう向原B1
tel:03-3957-5099(公演期間のみ)
※公演期間以外のお問い合わせはこまばアゴラ劇場(03-3467-2743)まで。
※会場には駐車場・駐輪場がございませんので、お越しの際は公共交通機関をご利用ください。

【料金】
予約・当日共
一般 2,500円
U-25 2,000円
*日時指定・全席自由・整理番号付
* U-25(25歳以下)要証明書提示
*中学生以下はご入場いただけません。
*劇場支援会員→予約(当日精算)→当日券の順番で場内へご案内いたします。

【チケット取り扱い】
青年団 03-3469-9107 (12:00 – 20:00)
一般オンライン予約

企画制作:堀企画/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場

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