こんにちは。木村恵美子です。
今回は、
青年団若手自主企画vol.81 宮﨑企画『つかの間の道』
の稽古場よりお届けします。
凄く、言語化の難しい稽古場でありました。
私、木村が今まで関わってきたどの作品の稽古場とも毛色が違いました。
多分私は稽古場で全く場違いな発言をした、かもと思う。何度も。それくらい、初めて見る稽古場でした。
だもので、この文章を書きだすにも、とても時間がかかりました。や、書きだしてからもとてもかかっているんですけど。
もう少し、稽古の序盤から見ていたら、稽古場のルールが構築されていく現場にも居合わせられたかもしれないのですが、残念ながら、私がやっと稽古場に伺えたのは、稽古初日からだいぶたった、2019年の年末のことでした。
演出家が喋らない……。
私が一番驚いたのはたぶんここです。私、演出家っててっきり皆よく喋るものだと思ってたんですが、宮崎さん、あまり喋らない。思考は続いているのに、口数は少ない。時折最終決定をしたり意見を言ったりはする。けれど、一見、稽古の主導権が俳優に渡されているようにも、見える。宮崎さんがほんの少ししか喋らなくとも、稽古は着々と進んでいく。作品の性質上、何度も何度もシーンのやり直しは生じるんですけど、でも、着々と、進む。よく見ると宮崎さんより黒澤多生さんの方がよっぽど喋っている。
多生さんという人は、本当に頼りになる人だな、と改めて思って眺めていたとき、私の中にある疑問が沸く。「多生さんが喋っているから宮崎さんが喋れないのか……?」思わず近しいことが口をついて出てしまったのですが別にそういう訳では無さそう。ちょっと安心。つまり、宮崎さんはある程度意図的にこういう稽古場を作っているようだ。
俳優が主導している(ように見える)稽古場づくりのメリットと言えば、俳優間の意見交換が活発になる、ということだと思う。
演出家がよく喋る稽古場では、よほど発言力(力関係とか、単純に度胸とか)がある俳優に参加してもらったり、演出家が話しやすい空気を作るよう努めたり、問いかけをしていかないことには、俳優からの意見が出たり、俳優間での議論が活発になったりということはあまり起こらない。
でも宮崎企画の稽古場では、どんどん意見が出るし、議論が起こる。さらには、演出家に対して「ここはこうなんじゃない?」といった意見もよく出る。
意見が出るってことは、作品を自分事としてとらえてるっていうことだと思うので、なるほど、こういう稽古場づくりもあるのだな、と思っておりました。
そんな訳で宮崎企画の稽古場は、ある種俳優だけの”自主稽古”のような雰囲気を持ちながら、でもちゃんと演出家が居る稽古、という不思議なバランスを保っていました。
こういう稽古場が立ち上がっていく様子をもう少し見られたら良かったな、と思うけれど、もうあとの祭りで……。
恥ずかしながら私、稽古場では結構、混乱しきりでした。なにが、何が起こっているんだ……。
2回見学に伺ったのですがタイミングが悪く全貌も上手く把握出来ず(断片から全貌を推測するのが得意だと思っていたのでこっそりショックを受けていたりします)、ごめんなさい!本番拝見するのがひたすら楽しみです!という感じです。
なかなか、言語化に苦戦しているうちに、初日には間に合いませんでした。宮崎企画の皆様、申し訳ありません。
好評なようでなによりです。
当日券情報やアフターイベントの詳細は、公式Twitter等からご覧いただけます。
観てみたい!という方は是非チェックしてみてください。
**公演情報**
青年団若手自主企画vol.81 宮﨑企画
『つかの間の道』
2020年1月8日(水) – 13日(月祝)
アトリエ春風舎
作・演出:宮﨑玲奈
○ある家に一人で暮らしている。毎日を淡々と、暮らしている。食べるものを決めて、着たい服を着て、育てている花が、たまに咲くことに、そういう、ささいさのひとつ、ひとつを考えることで、夫のことを、忘れようとしている。
○友達と三人で焚き火をする。あの子と、友達と、三人で映画をみる。四人では、一度も会うことはなかったけれど、どこか、ちぐはぐに、似ていたような、そんな気もする。
○この家の庭は、小さい頃のわたしが、かつて、過ごした庭だった。自分で、この街を選んで、ここにいる。毎日がやってくる、そのうまくいかなさのなかから、季節がめぐることのなかで、まずは、わたしから、はじめてみようと思う。
【出演】木崎 友紀子* 立蔵葉子(梨茄子)* 石渡 愛* 黒澤多生* 西 風生子* 南風盛 もえ* 藤家 矢麻刀
*=青年団
【公演日時】
2020年1月8日(水)- 1月13日(月祝) 8ステージ
1月
8日(水)19:30
9日(木)19:30
10日(金)14:00/19:30
11日(土)14:00
12日(日)14:00/19:30
13日(月祝)14:00
*受付開始は開演の30分前、開場は開演の20分前
*上演時間は60分を予定
*千秋楽を除く全ての回でポストパフォーマンストーク及びアフターイベントがあります。詳細はアゴラwebをご覧ください
http://www.komaba-agora.com/play/10147
【スタッフ】
空間設計:渡辺瑞帆*
音響・照明:櫻内憧海(お布団)*
照明操作:新田みのり
舞台監督:黒澤多生*
宣伝美術:江原未来
制作:半澤裕彦*
制作補佐:山下恵実(ひとごと。)*
*=青年団
総合プロデユーサー:平田オリザ
技術協力:大池容子(アゴラ企画)
制作協力:木元太郎(アゴラ企画)
【会場】
アトリエ春風舎
東京メトロ有楽町線・副都心線/西武有楽町線「小竹向原」駅 下車4番出口より徒歩4分
東京都板橋区向原2-22-17 すぺいすしょう向原B1
tel:03-3957-5099(公演期間のみ)
※公演期間以外のお問い合わせはこまばアゴラ劇場(03-3467-2743)まで。
※会場には駐車場・駐輪場がございませんので、お越しの際は公共交通機関をご利用ください。
【料金】
予約・当日とも
一般:2000円/ 高校生以下:500円
*日時指定・全席自由・整理番号付
* 高校生料金の方は受付にて証明書をご提示ください
*未就学児童はご入場頂けません。
【チケット取り扱い】
青年団 03-3469-9107 (12:00 – 20:00)
一般オンライン予約
【お問い合わせ】
青年団 03-3469-9107(12:00 – 20:00)
宮﨑企画 muni62inum@gmail.com
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劇団WEB:https://muni62inum.tumblr.com
Twitter:@muni_6_2
企画制作:宮﨑企画/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
協力:お布団 梨茄子 ひとごと。 (有)レトル