無隣館若手自主企画vol.25 木村和博企画の稽古場より①

ご無沙汰しております! 木村恵美子です! 無隣館の窓も無隣館若手自主企画も少し間が空いてしまいましたが、ここから12月、1月、2月、3月と毎月無隣館若手自主企画の公演がありますので、皆様改めてどうぞよろしくお願いいたします!

さて、今回は無隣館若手自主企画vol.25 木村和博企画『いっぱいいっぱい讃歌』の稽古場よりお届けいたします!

一番最初に書いておかなければと思うのですが、木村和博企画の作・演出は木村和博(きむらかずひろ)さん、そしてこれを書いている私は木村恵美子(きむらえみこ)と申しまして、文中で「木村さん」と書きますと大変ややこしい自体になりそうなので、ここでは、

木村和博さんは「きむかずさん」、

木村恵美子自身のことは「私」、

と表記していきたいと思います。無隣館には他に俳優の木村トモアキさんもいらっしゃいますし、ちなみに青年団には他にも木村さんがいらっしゃいますね。木村、多すぎやないですか……(笑)。

さーて改めて本題です。11月某日! 都内某所のとあるスペースでの稽古とのことで見学に伺いました! 聞くところによれば、戯曲の設定上かなり”リアル”な場所での稽古が実現したらしいです。

枡味企画にも参加していた出演者の堀ちゃんのTweetにワクワクしながら伺いました。結論から申しますと、はい、演出がほとんどついていない段階にあってもめちゃくちゃ面白かったです。

今回、『いっぱいいっぱい讃歌』には4名の俳優が出演します。(チラシ掲載順)

1人目は青年団/グループ・野原の串尾一輝(くしお かずき)さん

串尾さんの役、めっちゃおもしろいです……。いわゆる、「うだつの上がらないだめな大人」なんですが、質感が謎にリアルです。よくあるタイプの役のハズなのにとても新鮮。きむかずさんの作家力と、串尾さんの俳優としての力の融合がとっても面白く反映されている役なのではないでしょうか。居る居る、こういう人……!っていう印象が最初は強かったんですが、拝見した序盤のシーンだけでもう、私すっごく笑ってしまったので、どうなっていくのかとても楽しみにしています。

2人目は無隣館の外桂士朗(そで けいしろう)さん

外さんの使い方、私的には「とっても納得!!」って感じでした。私も外さんとは何度か作品作りをご一緒させていただいてますが、雰囲気が優しく、でも不思議な存在感のある俳優さんです。雰囲気が優しいからこそ、悪役をやらせると映える、なんて一面も……。『いっぱいいっぱい讃歌』では、序盤だけでもなかなかの振り幅が求められる役ですが、幅をめいいっぱい使った役を当て書きされている印象。まだ拝見してないシーンもかなり楽しみです。

3人目は無隣館の坊薗初菜(ぼうぞの はつな)さん

坊薗さんも無隣館の講義を通して沢山関わらせて頂きましたが、私もとても信頼している俳優さんです。坊薗さんの役は、これは、「万人に出来る役じゃない」、けど、「坊薗さんだったらそりゃあめっちゃしっかり成立させてくれるに違いないですよ!」って感じの役でした。かなり癖ありの役。しかし不思議なリアルさを持ってそこに存在していました。きむかずさんの坊薗さんへの信頼が垣間見えるキャスティング。やっぱり先が楽しみです。

4人目は無隣館の堀紗織(ほり さおり)さん

「私、堀ちゃんのこういう役あんまり見たこと無いかも……?」です。あるかな……? ちょうど見逃した時なのかもしれないし本当に滅多にやらない役なのかもしれないですが、私が拝見したところまでは結構縁の下の力持ち的存在……。でもこれは4人芝居。彼女の役なりの「いっぱいいっぱい」も描かれて行くのだと思います。え、これからどうなるんでしょう!? 一番謎かもです。楽しみです。

そして、今回稽古場で面白いなあ!と思ったのは、空気感かもしれません。皆さん良い感じでマイペースなんですけど、稽古場が柔軟に回っていて、そして何より皆楽しそう。

楽しそう

楽しそう

ありがとうございます☆

やっぱりその”楽しさ”を作っているのは作・演出のきむかずさんの存在なのかなーと思います。きむかずさんが稽古中ずっと物凄い楽しそうなのです。

写真見返していて、

目、めっちゃキラキラしてる!!

って思いました。(笑)

きむかずさんが一番楽しんで空気を引っ張っていっているからこそ、楽しい稽古場が生まれるのかなーと! 是非とも見習いたいポイントだと思いました。

きむかずさん、不思議な方なのであります。基本的には笑顔が素敵な、穏やかな印象の、優しい方なのですが、その裏になにかある気がする……。話していても、時々しっかり言葉に重みが加わるとともに、全体に流れる、作品にも滲むシュールさというか、なんだろう……? と思っていたのですが、先日LINEのやり取りをしていて、コジコジのスタンプを送ってくださったんですね。

「これだ……!!!」

と思いました。きむかずさんはコジコジみたいな雰囲気の方だと思います!(コジコジご存知ない方はごめんなさい……!)

お話の方も、私が伺った日は序盤だけしか拝見できませんでしたが、「え、どうなるんすかこれ……!?」というシュールなシーンもありつつ、きむかずさんらしい優しさ、楽しさ、そして何より切実さが素敵にマッチしたお話だと思いました。

きむかずさんは、「生きづらさ」をテーマに作品作りをされているそうです。私はずっと以前からきむかずさんの活動を知っていましたが、まだ作品をちゃんと拝見したことは無くて、これから、どんなふうに生きづらさを作るのか。ドキドキです。

この先どんなお話なのか、そしてどんな演出がついていくのか、楽しみにしております!

そしてそして……、きむかずさんはライター/編集者さんでもありまして、今公演の概要&コメントや、今公演にまつわるインタビュー企画が公開されていますのでご紹介します。

いっぱいいっぱい讃歌について

はじめまして。 無隣館という演劇学校に劇作家・演出家として所属している木村和博と申します。 このnoteは『いっぱいいっぱい讃歌』という演劇公演が、いつどこでやるのか、誰が携わっているのかが書いてあります。いわゆる『いっぱいいっぱい讃歌』の概要です。 (作品の内容に関しては別のnoteで公開いたします。)...

確固たる技量を持った俳優であると証明するために修行をしている——外桂士朗(無隣館)

「なんで演劇に関わっているの?」「どうして演劇づくりに携わっているの?」 そう聞かれると、少し緊張します。 その理由を伝えることで自身をさらけ出すことになるかもしれない。うまく伝えられないもどかしさから、説明しやすい理由をでっちあげてしまうかもしれない。 私以外の演劇づくりに携わっている人はどう考えているのだ...

見えないものを可視化するレンズになりたいーー串尾一輝(青年団/グループ・野原)

「なんで演劇に関わっているの?」 「どうして演劇づくりに携わっているの?」 そう聞かれると、少し緊張します。 その理由を伝えることで自身をさらけ出すことになるかもしれない。うまく伝えられないもどかしさから、説明しやすい理由をでっちあげてしまうかもしれない。 私以外の演劇づくりに携わっている人はどう考えているのだろ...

インタビュー記事、とても面白いです! これから坊薗さん、堀さんのインタビューも公開されるそうです! ぜひぜひご覧ください!

*公演情報*

無隣館若手自主企画 vol.25 木村和博企画
いっぱいいっぱい讃歌
作・演出:木村和博
2018年12月5日[水] – 12月9日[日] 全6ステージ

会場:アトリエ春風舎

彼らはかつて「ちょっとしんどい」と思えていました。

しかし、言葉を飲み込みすぎて忘れました。ゲップはよく出ます。

ある人は缶チューハイを飲みながらトランスジェンダーアイドルユニットのDVDを眺め、ある人は捻出したお金を風俗に使い、ある人は夢もやりたいこともないまま、社会のまともな方に入ることだけを目指し、ある人は理想の貧困を演じてクラウドファンディングしている。

最近あちこちから、ゲップのにおいが漂ってきます。

【出演】
串尾一輝(青年団/グループ・野原)
外桂士朗(無隣館)
坊薗初菜(無隣館)
堀紗織(無隣館)

【スタッフ】
舞台美術:鬼木美佳(無隣館)
照明:中佐真梨香(空間企画)
舞台監督:久保田智也
宣伝美術:嵯峨ふみか
制作:仙波瑠璃(無隣館)
総合プロデューサー 平田オリザ
技術協力 :大池容子(アゴラ企画)
制作協力:木元太郎(アゴラ企画)

【日時】
2018年12月5日[水] – 12月9日[日] 全6ステージ
12月5日(水)  19:30
12月6日(木)  19:30
12月7日(金)  19:30
12月8日(土)14:00 /18:30
12月9日(日)14:00
受付開始は開演の30分前、開場は開演の20分前

【料金】
予約:2,000円
当日:2,500円
*日時指定・全席自由・整理番号付
*未就学児童はご入場頂けません。

【会場】
アトリエ春風舎
東京メトロ有楽町線・副都心線/西武有楽町線「小竹向原」駅 下車4番出口より徒歩4分
東京都板橋区向原2-22-17 すぺいすしょう向原B1
tel:03-3957-5099(公演期間のみ)
※公演期間以外のお問い合わせはこまばアゴラ劇場(03-3467-2743)まで。
※会場には駐車場・駐輪場がございませんので、お越しの際は公共交通機関をご利用ください。

【チケット取り扱い】
青年団 03-3469-9107 (12:00 – 20:00)
https://komaba-agora.com/ticketsell/

【お問い合わせ】
青年団 03-3469-9107(12:00 – 20:00)
木村和博企画 Mail Ikizuri@gmail.com

【Web】
HP:http://ikizuri.com
note:https://note.mu/ikizuriikizuri
Twitter: @ikizuri

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企画制作:青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場

文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会

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