こんにちは木村です。
今回も、ついに公演が始まりました無隣館若手自主企画、劇場公演の第一弾、vol.24升味企画『あの子にあたらしいあさなんて二度とこなきゃいいのに』の稽古場よりお届けします!
升味企画、なんと木村にゲネ写も撮って良いよって言っていただきまして、「だったら、(数回行われる)春風舎での通し稽古でも写真を撮らせて頂けませんか……」、とご相談したところこれまたご快諾頂きまして、木村、コツコツ劇場に通って写真を撮らせていただきました。というわけで、今回はアトリエ春風舎での稽古の様子からお届けします。
今公演、一番最初の見どころは、無隣館の舞台美術家、鬼木美佳(おにきみか)さんによる舞台美術だと思います。「ここは本当に春風舎なのか……?」と関係者の中でも聞こえてきた、6ステージでは勿体なさ過ぎる位の美術が建っております。まだ公演中なので多くのネタバレは控えますが、細かなこだわりが光っています。鬼木さんによれば、舞台監督の黒澤多生さんへの信頼もあってこその美術なんだとか。物語本編に関わらない所にも、上にも下にも、多数のこだわりが見えますので、開演前、終演後にも是非是非、じっくりご覧になってみてください。複数回ご覧になる方はあることに気づけるかも……。
ちなみに鬼木さん、公演中は春風舎に常駐されているそうなので、話してみたい!と思った方はぜひ関係者に声をかけてみてください。今後の無隣館若手自主企画の公演でも、複数、舞台美術を担当されるようですので、ぜひそちらもご注目いただければと思います。
そして今回、稽古場から劇場での違いで驚いたのは、台詞、演出の変更でした。劇場入ってから見えてくることってありますよね……。台詞を追加したり削除したり、それまで無かった間が追加されたり、細かな動きが追加されたりと、細かいながらも多くの変更が加えられていました。それに伴って役者さんの側でも役への解釈が変わったのが垣間見えたりして、めちゃくちゃに興奮しました。より良いものを作ろうっていう双方の熱意あってこそです。ある通しであまりに感動してしまって、升味さんを褒め称えたりしました。
前回エピソードは次回!と書いた鯉沼トキさん、エグい役どころを私が見ている間だけでも回を重ねる毎にどんどん乗りこなして魅力的になっていくのがとても印象的でした。初めて伺ったとき通しの前後で発声方法が変わっていて、通し前のトキさんはまるでトキさんじゃないみたいで、びっくりしました。通しが終わっていつものトキさんで、ちょっと安心したのを覚えています。
あと升味さん自ら製作の映像も追加されました。この映像のある無しで観客側の視点が変わるような性質のものだと思います。私は映像が入ったことで作品への印象がだいぶ変わりました。私は観劇の時には眼鏡をするのですが、過去観劇に眼鏡を忘れて映像が見えなくて大変後悔したことがあるので、眼鏡ユーザーの方、コンタクトだけど調子悪いとき眼鏡の方、眼鏡をお忘れなきよう……。(なんてピンポイントな……)
それから青年団井坂さんによる照明、無隣館櫻内さんによる音響もめっちゃ好きです。演出上初めて見た時はびっくりしたシーンもありますが、作品の持つ「怖さ」をより引き立てていると思います。個人的には結構、トラウマ体験ですね……。怖いんですよ……。
あと、本編以外でご注目頂きたい点は小道具、衣装の徹底ぶりですかね。「超あるある、わかる、や、すごい。うん、懐かしい……!」って気持ちでいっぱいになりました。劇場でもぎりぎりまで試行錯誤を重ねていてとても楽しかったです。例えば、客席からはほとんど見えないであろう、アレ、とか、アイスとか、カバン、Tシャツのセレクト、細かい所でタオル、あと地味に携帯電話の扱いの徹底ぶりも良いです。どれだけ検証したのか……! 本編の一部はダイジェスト映像でもご覧いただけるので、気になる方は是非是非覗いてみてください。
◆本編ダイジェスト映像◆
初日あけて感想を拝見したら、やっぱり「怖い」って感想が多くて、そうですよねえ…、と思いました。怖いです。正直自分も体調悪い日とか最大限に疲れてる日には避けて通りたい作品です。きっと持っていかれる。……でも、そんな自分としても、それを超える魅力がある作品だと思います。初日あけてからもみんな、「もっと良くするにはどうするか?」考えて戦っていると思います。お時間ありましたら、ぜひ、ご検討頂けたら幸いです。
◆予告動画◆
◆百物語企画 第一夜◆
◆百物語企画 第二夜◆
◆百物語企画 第三夜◆
◆百物語企画 第四夜◆
*公演情報*
無隣館若手自主企画 vol.24 升味企画
『あの子にあたらしいあさなんて二度とこなきゃいいのに』
作・演出:升味加耀
2018年8月22日(水) – 8月26日(日) 6ステージ
会場:アトリエ春風舎
演劇部の夏合宿は三泊四日。生憎全日嵐が続く。メグの初めての彼氏・「あさだくん」は美人の転校生・「よるかわさん」といい感じ。親友のユキは、新しい友達・サーちゃんと仲良くなって、ちょっとだけ変わった。顧問の鯉沼先生は前にもまして無表情でタバコを吸っている。変わり者の黒澤先輩は百物語をしようとうるさい。一年前に爆死した中村先輩のことを、みんなどこかで気にしている。おかしなことが何度も起こる。毎日起きて、寝る。けど、どれもほんとな感じがしない。まっくらな夜が続くようでいつまでたっても「あさ」が来ないと思ったらどうやら太陽は消えてしまってそれはもう、ずいぶん前のことらしい。
【出演】
黒澤多生 鯉沼トキ 名古屋愛 堀 紗織(以上、無隣館) 鴨居千奈
【スタッフ】
舞台美術:鬼木美佳(無隣館)
照明:井坂浩(青年団)
照明操作:石神静香
音響:櫻内憧海(無隣館/お布団)
音響操作:鬼木美佳(無隣館)
映像:升味加耀(無隣館)
映像操作:山下恵実(無隣館)
舞台監督:黒澤多生(無隣館)
宣伝美術:間宮きりん
制作:半澤裕彦(無隣館)
制作助手:山下恵実(無隣館)
制作補佐:有上麻衣(青年団)
総合プロデューサー:平田オリザ
技術協力:大池容子(アゴラ企画)
制作協力:木元太郎(アゴラ企画)
【日時】
2018年8月22日(水) – 8月26日(日) 6ステージ
8月22日(水) 19:30
8月23日(木) 19:30
8月24日(金) 19:30
8月25日(木) 14:00★/18:00
8月26日(日) 13:00★
受付開始は開演の30分前、開場は開演の20分前
★=升味加耀とゲストによるアフタートークあり
8月25日[土]14:00の回 広田淳一さん(アマヤドリ)
8月26日[日]13:00の回 山本健介さん(ジエン社)
【料金】
予約一般=2,000円
当日一般=2,500円
高校生以下=1,000円(予約・当日共/要身分証)
*日時指定・全席自由・整理番号付
*未就学児童はご入場頂けません。
【会場】
アトリエ春風舎
東京メトロ有楽町線・副都心線/西武有楽町線「小竹向原」駅 下車4番出口より徒歩4分
東京都板橋区向原2-22-17 すぺいすしょう向原B1
tel:03-3957-5099(公演期間のみ)
※公演期間以外のお問い合わせはこまばアゴラ劇場(03-3467-2743)まで。
※会場には駐車場・駐輪場がございませんので、お越しの際は公共交通機関をご利用ください。
【チケット取り扱い】
青年団 03-3469-9107 (12:00 – 20:00)
https://komaba-agora.com/ticketsell/
【お問い合わせ】
青年団 03-3469-9107(12:00 – 20:00)
升味企画 Mail masumikikaku@gmail.com
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企画制作:青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会
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